※この記事は、Xにおける筆者のポストを加筆修正したものです。
新型車両の残念なニュース
相模鉄道(相鉄)が新型車両「13000系」のイメージ画像と概要を公開しました。2026年春からまず8両編成が1編成導入されます。
詳しい諸元は不明ですが、車両はE233系と共通性があり、裾絞りのついた広幅車体だとみられます。
会社側は明言していませんが、現状8〜10両の線内完結運用を8両編成に統一する施策の一端が読み取れます。
乗りものニュースによれば、13000系を導入する目的は「既存の8000系と9000系の代替として導入」であり、8両編成とした理由については「沿線の生産年齢人口の推計の推移を踏まえ、8両編成としました。今後の状況によっては、計画を見直す可能性もあります」とのこと。

輸送動向の変化による減車は各地で進んでおり、首都圏では新京成電鉄(現・京成松戸線)や東武アーバンパークラインなどでみられます。
相鉄においても減車による輸送力削減は選択肢としては理解できますが、複雑化する車両運用を直通対応車と共通化できるチャンスを逃すことは残念でなりません。
12000系と共通化すべきでは
相鉄が近い将来JR直通を廃止するというなら別ですが、そうでないなら、まずは13000系をJR直通対応の10両編成にすべきでした。
JR直通対応車両として製造され、全車10両編成の12000系の増備でもいいのですが、沿線イメージ向上のため「新車」が必要なら型式を起こすのも一案ではありましょう。
21000系と共通化すべきとも
相鉄がもし8両化を優先するのなら、逆に21000系(東急目黒線直通用として製造された8両編成)と共通仕様にすべきでしょう。命名規則からすると、22000系となっていたでしょうか。
10000系以降とは異なる裾絞りのないストレートな車体となることで輸送力が減りすぎることを懸念するのなら、そもそも8両編成に減車すること自体を再考すべきでしょう。
都心直通プロジェクトは失敗?
相鉄が新車を12000系や21000系と共通化することを直通対応機器の設置費用面で見送ったとすれば、それは安物買いの銭失いといえます。
あるいは、都心直通プロジェクトの失敗を認めたことになるのかもしれません。特に、東急目黒線(地下鉄南北線、三田線)直通はやめたくて仕方ないのでしょうか。
もう少し長い目で見ても良いと思うのですが。
車両運用からみた新型車両
相鉄線は長らく、相鉄線内のみを単純往復するためだけに作られており、線路設備は相対的に貧弱といえます。その中で、相鉄肝いりの都心直通プロジェクトにより「相鉄線内限定」「JR直通」「東横線直通」「目黒線直通」の4種類が存在することになりました。
この複雑な車両運用を単純化するチャンスをあえて失わせるように見える今回の施策は、未来に禍根を残すように思えて仕方ありません。とても残念です。
相鉄プレスリリース/2026年春、新型車両「13000系」営業運転開始【相模鉄道】

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